企業向け CHOOSING A FIRM

エグゼクティブサーチ会社を選ぶときに、何を確かめるか

知名度や扱ってきた業界の幅だけでは、サーチ会社の向き不向きは分かりません。誰が担当し、候補者にどう接触し、何を報告してくれるのかを、依頼の前に確かめるための整理です。

約4分で読めます

サーチ会社を比べるとき、会社の規模や知名度、扱ってきた業界の幅から見ることが多いと思います。それらは手がかりにはなりますが、依頼した案件で実際に何が起きるかまでは教えてくれません。

経営幹部の採用では、依頼先の中で誰がどれだけの時間を使い、どの候補者に、どんな言葉で声をかけるかが進み方を左右します。ここでは、依頼の前に確かめておきたい点を、判断のための問いとして整理します。

経営陣が外部の担当者と採用の要件を検討している場面をイメージしたシーン
※イメージ画像

実際に動くのは誰か

最初の打ち合わせに出る人と、日々の探索や候補者との面談を担う人が違うことは珍しくありません。それ自体は問題ではありませんが、誰がどの工程を担うのか分からないまま依頼すると、要件の細かなニュアンスが途中で抜け落ちていきます。

特に確かめたいのは、候補者に最初に連絡する人が、企業側の課題を自分の言葉で説明できるかどうかです。いま転職を考えていない候補者は、最初の短い説明で話を聞くかどうかを決めます。そこで課題が伝わらなければ、要件に合う人ほど早く離れていきます。

確かめること聞き方の例答えから分かること
主担当者「この案件を最後まで担うのはどなたですか」打ち合わせにだけ出る人かどうか
候補者への最初の接触「候補者に最初に連絡するのはどなたですか」課題を語れる人が前に出るかどうか
案件にかけられる時間「同時にどの程度の案件を抱えていますか」後回しにされる懸念がないか
担当交代の扱い「担当が変わるとき、どう引き継ぎますか」長引いたときにも継続性が保たれるか

図1 担当体制について依頼前に確かめること

その業界と役割を、どこまで知っているか

業界の経験を尋ねると、多くのサーチ会社は扱ってきた業界の名前を挙げます。それより判断に役立つのは、今回のポジションに近い役割について、候補者がどこにいて、なぜ動かないのかをどれだけ具体的に語れるかです。

同じ財務責任者でも、上場を準備している会社と事業を再編している会社とでは、求められる経験がまったく違います。その違いを打ち合わせの段階で指摘してくるのか、依頼側の説明をそのまま受け取るのかで、要件をどこまで詰めてくれる相手なのかが見えてきます。

要件への反応

そのまま受け取る

依頼側の要件を書き写すだけで、問いが返ってきません。探索の途中で要件が揺れたとき、立ち戻る軸がなくなります。

条件を足し引きする

経験や業界の条件を緩めたり加えたりする提案はあるものの、なぜその条件なのかという議論には至りません。

課題から問い直す

このポジションで何を解くのかに立ち戻り、条件の優先順位を一緒に組み直そうとします。

図2 打ち合わせでの反応は、おおむね三つに分かれる

候補者にどう接触し、何を伝えるのか

サーチ会社が候補者に連絡するとき、企業名をいつ明かすか、事業の状況をどこまで伝えるかは、依頼側の評判に直結します。接触の仕方が雑だと、採用に至らなかった候補者の記憶に、そのまま会社の印象として残ります。経営層の世界は狭く、その印象は次の採用にも影響します。

依頼の前に、候補者への最初の説明文の例を見せてもらえるか尋ねてみるのも一つの方法です。秘匿の度合いの扱い方や、接触を控える相手の決め方も、同じ場で確かめておけます。

接触について確かめておくこと

企業名を明かす段階と、それまでに伝える情報の範囲

接触を控える相手(取引先や関係会社など)をどう決めるか

見送りになった候補者に、誰がどのように連絡するか

進捗は何を報告してくれるのか

経営幹部の探索は長くかかることがあり、途中で何も見えない期間が続くと、依頼側は判断の材料を失います。大切なのは、候補者が何人出てきたかという報告ではなく、探索を通じて市場から何が分かったかを伝えてくれるかどうかです。

思い描いていた経験を持つ人が少ない、報酬の水準が合わない、ポジションの説明が候補者に響いていない。こうした都合の悪い情報は、要件や条件を見直すきっかけになります。それを早めに伝えてくれる相手かどうかは、依頼前の会話からもある程度読み取れます。

1

要件の合意

探索を始める前に、解きたい課題と必須の条件、望ましい条件を文書で確認します。

2

市場の見立て

探索の初期に、候補者がどこにいて、どんな反応が返ってきているかを共有してもらいます。

3

候補者の提示

一人ひとりについて、なぜ推すのか、どこに懸念があるのかを添えてもらいます。

4

見直しの判断

反応が見立てと違うとき、要件を変えるのか探索の範囲を広げるのかを一緒に決めます。

図3 報告の流れとして確かめておきたい段階

選ぶ側が整えておくこと

依頼する側が何も決めていないと、どのサーチ会社に頼んでも同じところで止まります。社内で誰が最終的に決めるのか、選考に誰が関わるのか、候補者に事業の情報をどこまで開示できるのか。これらは比較を始める前に整理しておくと、打ち合わせが具体的になります。

複数の会社から話を聞く場合は、それぞれに同じ説明をすることをお勧めします。説明が揃っていれば、返ってくる問いや提案の違いが、そのまま比較の材料になります。

比較を始める前に揃えておくもの

次の点を手元に揃えておくと、打ち合わせで何を確かめるべきかがはっきりします。

  1. このポジションで解きたい課題を、短い文章にまとめる。
  2. 最終的に誰が決めるのか、選考に誰が関わるのかを決めておく。
  3. 候補者に事業の状況をどこまで開示できるかを決めておく。
  4. 打ち合わせでは、担当体制・業界の理解・接触の仕方・報告の仕方を、どの会社にも同じ順で尋ねる。

その上で、提案書の内容よりも、こちらの説明に対してどんな問いが返ってきたかを比べてみてください。依頼した後の進み方は、多くの場合、最初の打ち合わせで返ってくる問いの質に表れています。

本記事はサーチ会社を選ぶ際の一般的な観点の整理であり、特定の企業や案件について述べたものではありません。

採用要件の整理からご相談ください

ポジションが固まっていない段階でも構いません。何を決める必要があるかを一緒に洗い出すところからご一緒します。ご相談は無料です。

無料相談を申し込む →